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別の記事(こちら)で遺留分を認めたくない場合を列挙しましたが、そこで列挙しきれなかった方法についてこちらでご説明します。
④相続人の廃除を利用するケース
Aさんには死別した妻Bと2人の子供CDがいますが、上の子Cは悪い男と結婚して人をだますようになり、何度も詐欺で逮捕されて夫婦揃って前科者になってしまっています。またAさんをもだましてお金を奪おうとしたり、それができないと夫に暴力をふるわせるようなことも少なくありません。
このようなCでもAの相続人として遺留分を持つため、最低でもAの財産1/4を取得できてしまいます。これに納得できない場合はAが「相続人の廃除」を家庭裁判所に申し立てるとよいでしょう。
廃除は、CがAを虐待したり重大な侮辱をしたり、Cに著しい非行がある場合のみに認められるというハードルの高い制度であって、上記のケースに現れた事情だけでははっきりしませんが、Cが相続から廃除されれば、Cは相続権も遺留分も失うことになるので、DだけがAの財産を相続する事になります。
ただもしCに子供がいれば、その子には相続権も遺留分も発生する(代襲相続といいます)ので注意して下さい。理論上はその子供をも廃除することが可能ですが、その子本人がAに虐待や侮辱をしたり非行を重ねていたりする必要があるので、実際にその子供まで廃除するのは難しいかもしれません。
最後に、相続人の廃除は遺言書に書いておくこともできます。その場合は遺言執行者が家庭裁判所の手続きを行うことになるので、あらかじめ遺言執行者を選任しておいたうえで、なぜ排除するのかを明確にして証拠を残しておいてください。
⑤特別受益相当額の持ち戻しを利用するケース
夫婦で花屋を営んできたAB夫妻には子CDがいました。Cは外国に就職したまま帰ってこずにそこで結婚し生活をしていますが、DはAB夫妻と同居して婿と共に花屋を手伝っていました。
先にAが亡くなった際はBがAの財産(花屋の財産がほとんどを占めています。)を引き継ぎましたが、もう高齢のため花屋の営業は実質的にD夫婦に委ねられ、D夫婦は名義はBのまま営業を引き継ぐと同時にDの世話もしてきました。Bはそのことに感謝し、自身の名義の財産を全てDに引き継ぐ遺言を残していました。
その後Bが亡くなった場合、CはBの財産に対して遺留分として財産価格の1/4を取得する事になりますが、Dとしては花屋の財産をCに持って行かれるのは納得がいかない場合もあるでしょう。
こんな場合は、もしBが生前Cだけに特に外国での生活費の足しや学費などで贈与をしていたのであれば、特別受益に相当する財産の持ち戻しを考慮することにより持ち戻し分と遺留分の相殺を図るという手段が考えられます。
※なお特別受益についての詳しいお話は<こちら>をご覧ください。
今回のケースでお話をすると、 特別受益に相当する贈与ついては一定の範囲で遺留分の計算上の持ち戻しの対象となるところ、全相続財産の中に占める持ち戻し分の割合が高くなればなるほど遺留分を支払う必要がなくなる事になります。
例で言うと、まず花屋の財産として残されたBの財産が4000万円だったとします。そこにBが生前にCに対して行った贈与が1000万円あり、これが特別受益相当として持ち戻されることになった場合、Bの遺留分計算上の財産総額は5000万円となります。遺留分の額はこの1/4である1250万円となるところDがCに支払う金額はここからすでに貰った1000万円を引いた250万円で足りることになるのです。
特別受益相当額を考慮しなかった場合にDがCに支払う遺留分の金額は4000万円の1/4である1000万円であることを考えると、かなりDに有利な形になったかと思いますが、このような結果を導けるかどうかはケースバイケースですし、仮にその可能性があるケースであっても慎重な対応が必要になりますので、ぜひ専門家に相談してください。
⑥権利濫用の法理を用いるケース
遺留分は遺留分侵害額請求を行わないと現実化しないことは、<こちら>でお話したと思いますが、この権利行使がいかなる場合も認められるわけではありません。
あくまで例外的な扱いですが、遺留分を持つ人が遺留分侵害額請求を行うことが、権利の濫用にあたるような例外的場合には、遺留分があったとしても遺留分侵害額請求ができないとされることが過去にあったようで、この結果、遺留分を認めないのと同じことになる、という場合が存在します。
過去の例としては・・・
・養子縁組をした養子が養親の世話を全くせずに20年以上もほぼ音信不通のままでおり、さらに養親が困った時も全く支援しなかったにも関わらず養親の死後に遺留分減殺請求権を行使したような場合
・20年以上病弱の親を放置した相続人が、事前に遺留分を放棄する意思を表明したのに親の死後に突然遺留分減殺請求権を行使したような場合
・・・などがあるようです。
非常に例外的な扱いであり、ほとんどの場合は訴訟で争うケースになりますので、このような主張をしたい方は必ず専門家(特に弁護士)にご相談下さい。
相続法改正の解説について、毎日新聞の取材に協力しました。
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