3、相続放棄とペットの引き取りについて

子犬

 亡くなった方は財産より借金の方が多いため相続人の方が相続放棄をする、ということはよくあります。この時に亡くなった方が「ペット」を飼っていたらどうしたらよいか、というご質問をいただくことがあります。

 結論的には「相続放棄した方しか引き取り手がいないのであれば、とりあえず引き取って世話を継続しても問題ないと思われる」とご返答するようにしています。ただ正直言って目立った前例を発見できていないため確実に大丈夫かと言われると「争いになった際は裁判で明らかにすることになる」とご返答せざるを得ない部分でもあります(相続放棄についてはこのようにハッキリと結論が定まっていない部分がいくつかあります。)。一応、どのように考えて上記のようにご返答しているかをご説明しますね。

 まずペットは車や家財道具と同じ「物」であり「財産」の一部と扱われます。とすると相続人が相続放棄したことにより初めから相続人でなかったと扱われる以上、亡くなった方のペットに対しても何ら権利を持たず義務も負わないことになります。

 むしろペットが「財産」の一部である以上、これを引き取ったら財産の一部を承継したとみなされて法定単純承認の効果が生じて相続放棄できなくなってしまうのではないかという心配すらあるわけです。

子猫

 しかしこれでペットの世話をする人がいなくなってしまってはかわいそうです。法律も相続放棄をした人に対して財産の保全・管理をする義務を負わせています(民法9401項)。

 そこで相続放棄をした相続人の他にペットの引き取り手がいないのであれば、その保全・管理義務を果たすという名目のもとでペットを引き取って世話をすることができると考えてよいのではないかと思うのです。

 もちろん相続放棄をした後に他の相続人や相続財産管理人がペットの世話をする旨申し出てきた場合は引き渡す必要があるでしょう。またペットが子供を産んだ場合はその子供についても同じ理屈で保全・管理することになり他人に貰ってもらったり売却したりするのは慎重にしなければならないでしょう。しかしそういったことが無いのであればそのままペットを「維持管理」し続けて問題ないのではないか、と考えられるのです。

 民法9401項が相続放棄した人に、誰に対してのどこまでの義務を負わせていると考えるべきかについてはイマイチはっきりしないように思いますが、相続放棄とペットの引き取りについてはとりあえず上記のように考えておいて良いのではないかと思います。

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